
戦力の分散は死を招く
ビジネスの鉄則は強みを活かすこと。
頭では理解していても、それが出来ていない経営者が多いというのが地方ビジネスの現状。
「これだけ」では食っていけないから…という気持ちは分かります。
が、その「これだけ」をどれだけやってますか?
もっとこだわって絞り込んでいけば差別化できるのに…
と残念に思う会社が非常に多い。
先日行ったラーメン屋さんの話し。
ここのラーメン、福岡では珍しく醤油ベースなんですね。しかも、この醤油ベースのラーメンがめちゃくちゃ美味いんです。
知る人ぞ知る名店なんですが、メニューが残念。
やはりとんこつラーメン押しで、サイドメニューとしてこの醤油ベースと激辛ラーメンがあるんです。
しかし、ほとんどの客が選ぶのは醤油ベースか激辛ラーメンという事実。
これ、もうとんこつやめて、醤油一本か激辛一本に特化したお店を出した方が注目を集めて繁盛します。
クオリティーは間違いないので、あとは一点集中で差別化を図れば良いだけです。
福岡でとんこつラーメン以外のラーメン店は色んな意味で目立ちます。
逆にとんこつラーメン店はその他大勢に埋もれます。
相当クオリティーに自信があるならば別ですが、とんこつラーメンの価格はほぼ決まっています。
逆に醤油や激辛は福岡では「珍しい」部類に入るので、少々値段を上げても大丈夫。
クオリティーがしっかりしていれば、リピーターも確保出来、売上は確実に伸びます。
【一点突破のお手本】
首都圏を中心に展開する蒙古タンメン◯本さんは良い例ですよね。
あの強烈な辛さと味に惹かれてファンが殺到しています。一度食べたら病みつきになるあの味は他の追随を許さない存在として際立ってます。
もし、◯本さんが普通のラーメン店で、そのメニューの中に激辛ラーメンを置いていたとしたら、あそこまで繁盛することはまずなかったでしょう。
強みを見つけて一点突破。
これこそがビジネスの基本です。
【何をやっているのか本当に伝わっている?】
あなたが何をやっているのか?ということをシンプルに明確にすることが大切なんです。
あれもこれもと手を出したくなる気持ちは分からんではないですが、関連性のないものまで手を出すとコンセプトがブレます。
コンセプトがブレると、伝えたいことが伝わらなくなります。
お客はあなたが思っているよりあなたのことを知りません。
これだけ言ってるから伝わっているだろう…と思い込むのは勝手ですが、うまく伝わってても半分ぐらいだと思っておいてください。
地方ビジネスはパイが小さいので、一つのメニューじゃ食べていけないという気持ちは分かります。
それであれば、扱うメニューは関連性のあるものにしないといけません。
靴屋で携帯売るようなことはやめないと訳わからなくなります。
靴屋であれば、靴に合うパンツを売るとか、カスタムインソールを売るとか、関連性のあるものにして下さい。
関連性のないもので、これはいける!どうしてもやりたい!というものがある場合は、別会社を立ち上げてやった方が良い。
メイン事業は他の人に任せて、あなたが新会社を引っ張るぐらいの気持ちでやらないと、どちらも沈没しますよ。
日露戦争然り、一点突破です。
資本が少ない地方ビジネスでは一点突破こそが生き残る道です。
少ない戦力を分担すると、痛い目に合いますよ。